特撮映画レビュー「妖星ゴラス」(1962年 東宝):日本版アルマゲドンそして古典

妖星ゴラス

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今回は日本特撮映画の古典、「妖星ゴラス」をレビューします。SFの古典でもあります。

概要

公開年月日:1962年3月21日

製作:東宝

監督:円谷英二(特撮)、本多猪四郎(本編)

出演:池部良、久保明、志村喬、西村晃、白川由美、水野久美 他

ストーリー

太陽系外縁を探査中の宇宙船JX-1隼号は謎の彗星を発見し地球に報告する。研究の結果その軌道は数年後に地球を交差することが判明し各国協力の元、南極に巨大なジェット推進装置を建設し地球の軌道を変えて彗星「ゴラス」との衝突を回避しようと試みる。紆余曲折の障害を経て果たして地球はゴラスとの衝突から逃れることが出来るのだろうか!?

レビュー

円谷英二特撮作品30本目となる本作、構想3年製作費4億円そして撮影に300日懸けたらしい。

地球を危機に陥れる天体パニック映画は「アルマゲドン」や「ディープインパクト」などハリウッド作品でもヒット作が多く見られるが、これら欧米作品と大きく異なるのは危機の回避方法だろう。

ハリウッド作品では主人公が彗星に出向いて破壊し地球の危機を救うのが王道だが、本作では天体の進む軌道はそのままにして地球の軌道をずらすと言う他に例を見ない方法を取っていることが特筆に値すると思う。

 

これはやはり狩猟民族と相手を思いやって自らの身を引くお先にどうぞの精神、柔よく剛を制すとの武道精神、果ては武士道精神の由来ではないか?と思う訳だ。

 

費用と日数を掛けただけあって、本作の特撮は宇宙船から出る炎ひとつ取っても他の東宝特撮作品とは明らかに異なる高いクオリティを保っているのがわかる。

それと南極のバーナー建設風景のミニチュアワークは50有余年経った現在でも決して見劣りすることのないこれもクオリティの高さには驚かされる。

当時の特撮技術の全てを注ぎ込んだと言っても過言ではないだろう。

 

出演者を見ても東宝大スターのオンパレードで、この作品に懸ける思いと言うのは非常に大きかったのではないか?と伺える。

それが円谷英二に対するリスペクトなのか、時期的な興行成績を睨んでのことなのかは定かではないが3月公開で春休みを狙ったものにしては余りにもスケールが大きく感じられるので、おそらく前者であろうか。

 

また個人的主観であるが本多猪四郎監督作品の中では群を抜いて良くできた作品だと思う。

巨匠を悪く言うつもりはないが昔の作品と言うのもあるだろうが、どうしても氏が監督された他の特撮関連の作品は「本当にこれ天下の巨匠が撮ったもの?」といぶかるものも少なくないのだが、本作は構成もストーリーも非常に良いテンポで観ていて飽きさせない展開だと思う。

 

おおよそ54年前の特撮作品だが、今観ても十分楽しめる作品であることには間違いない。

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2 件のコメント

    • コメントありがとうございます。
      これから元の軌道に戻さないと。北極は氷の塊だから建設が難しい。と言ってるところで話は終わります(笑)

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