映画レビュー:「ハートブレイクリッジ 勝利の戦場」クリント・イーストウッド(1986年)シゴキで若者を一人前に鍛える王道ストーリー  

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クリント・イーストウッド主演「ハートブレイクリッジ 勝利の戦場」のレビューです。

概要

1986年アメリカ映画

製作/監督/主演:クリント・イーストウッド

ストーリー

素行は悪いが軍功はピカイチのハイウェイ軍曹は定年を間際に原隊復帰を果たす。

そこには海兵隊とは名ばかりの舐めた若者達がたむろする偵察小隊を訓練すると言うミッションが待っていた。

大隊の屑扱いの彼らをスパルタ式で鍛え直し、徐々に彼らの心にも自信と誇りを取り戻させていく。

そんな中カリブ海に浮かぶ島国グレナダで捕虜となっている米国留学生を救出するミッションが下ったのだ。

レビュー

朝鮮戦争、ベトナム戦争をくぐり抜けた歴戦の軍曹が若くて生意気だが使い物にならない海兵隊員を叩き直して一人前の軍人に育て上げると言うある意味サクセスストーリーと言えるだろう。

 

往年のイーストウッド作品は大監督となった現在の作品と違ってそんなに深読みしなくても十分楽しめる分かりやすい作品も多い。

本作もそのような作品だと言える。

 

主人公のハイウェイ軍曹は叩き上げの軍人で戦闘と訓練のエキスパートだが、私生活はムチャクチャで酔えば酒場や刑務所で喧嘩をする問題人物だ。

そんな彼が定年間際で原隊復帰し、平和ボケした若い海兵隊員達に時にはやり過ぎの手口で、時には情に訴えて徐々に隊員達の信頼を得て行く様が描かれる。

そして負け犬根性が染みついた彼らの心に誇りも取り戻させると言う、国内で言えば往年のTVドラマ「スクールウォーズ」のアメリカ軍バージョンの色合いが強く、戦争映画と言うよりも軍隊をベースにした人間ドラマだろうか。

軍隊アレルギーでなければ日本人の心情にマッチすると思う。

 

同時に別れたのに未練タラタラの元夫人との大人のラブストーリーの側面も盛り込まれている。

50代半ばの良いオッサンおばさんなのに上手くお互いの気持ちを伝えきれない様を描いているのが、これも軍人とその元妻をベースにしているからなのか展開が非常に不器用でもどかしい。

 

そうしてクライマックス、彼らに実戦の命令が下る。

戦闘経験皆無のメンバーを率いて犠牲を出しながらもミッションを完遂させる。

そこにはかつてのだらけた若者達の姿はなかった。

 

戦功を称えた歓迎ムードに包まれ迎えに来た家族や恋人と喜びを分かち合う部下達を横目に独り静かに定年を迎えるはずのハイウェイにも元夫人の出迎えの姿があった。

「星条旗よ永遠に」の伴奏をバックに微妙な距離感で揃って去り行く後ろ姿に最後まで不器用さと微笑ましさを感じる。

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