映画レビュー「アンチェイン」(2001年日本映画)名もなき格闘家達の人間模様と闘いの記録

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ドキュメント映画「アンチェイン」のレビュー。
 

概要

2001年日本映画
出演:アンチェイン梶、ガルーダテツ、永石磨、西林誠一郎
ナレーション:千原浩史
監督:豊田利晃

ストーリー

大阪の名もなきボクサー、アンチェイン梶を中心に4人の格闘家の心情と生き様を記録したドキュメント映画。

レビュー

この作品、知り合いも出演しており、偶然の展開で西成のドヤ街でアンチェイン梶本人とも飲んで話をしたことがあるので少し書きにくいが敢えて書いてみる。
大阪陽光アダチジムに所属していたプロボクサー アンチェイン梶を中心につながりのある格闘家4人(ガルーダテツはキックボクサー、永石磨はプロボクサー、西林誠一郎はシュートボクサー)の生き様と人間模様を記録したドキュメント作品だ。
 
アンチェインは60勝1分で引退した選手。はっきり言って名もないプロボクサーだ。
試合の後遺症で奇行が目立つようになり、ついに西成の職業紹介センターで乱闘騒ぎを起こしてそのまま病院に強制入院させられてしまう。
そんな彼だが彼を慕う後輩は多く、ここに登場する3人もそう言う面々だ。
 
何だかんだとアンチェインの奇行に巻き込まれながらも彼を見捨てることなく関わって行く。
これはおそらく現在でも変わらないのだろう。
この3人によるアンチェイン梶との関わりや彼の人柄がインタビューで語られる。
 
同時に格闘家としての他の3人にもカメラは向けられる。
3人とも日本ランカーなどある程度の地位にはいるが決してチャンピオンなどではなく、その意味ではアンチェインと同じ名もなき選手たちである。
彼等はどうして戦うのか?もちろん答えは出るわけもないが、格闘家としての彼等をフォーカスしていく。
 
家庭を持ったのを契機に自らのキャリアの総決算をするために北陸で戦い散った永石磨。
仕事を辞め婚約も破棄して退路を断ってシュートボクシングのタイトルマッチに出場しKO負けを喫する西林誠一郎。
 
そして宿敵小野瀬邦英と5度の死闘を繰り広げて散ったキックボクサーのガルーダテツ。
アンチェインの一方でもう一人のこの映画の主役はこのガルーダテツだろう。
宿敵小野瀬を倒すために4人の中で一番現役にこだわった男だ。
その死闘の全てがこの作品に記録されている。
 
彼等の生き様は決して一般の人々が過ごすような生き方ではない。
むしろ誰もうらやむ人はいないだろう。
それでも彼らは自らの競技に真っ直ぐに取り組んで行く。
努力もする。
しかし決して結果は報われることはなかった。
今の生活も報われることは少ないはずだ。
幸せか不幸なのかは本人の感じることなので勿論それはわからないが。
 
それでもこの作品は異様な輝きを放っている。
人生のある瞬間を確かに燃え盛った瞬間があるのだと思う。それがこの作品に収められた時だと僕は感じる。

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