書評:「玄鶴山房」芥川龍之介:ドロドロの心理攻防戦。芥川が最も得意とするジャンルか

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 芥川龍之介の作品、「玄鶴山房」のレビュー。
 

あらすじ

病気で余命いくばくもない画家の玄鶴。
ゴム印で財を成し「玄鶴山房」と銘打った住処の離れで寝て暮らしている。
本宅には妻のお鳥と娘夫婦が住む。
そこにいよいよ玄鶴が最期だと言うことを聞きつけて妾のお芳親子が世話のため滞在することになる。
寝たきりでろくに口もきけない玄鶴をよそにドロドロとした心理戦が繰り広げられるのだった。
 

レビュー

ドロドロの愛憎劇。
芥川龍之介はこんなのも書くのかとちょっと驚きを覚えたが、人の心理を銀のピンセットで弄ぶことを得意とする芥川にとってこの題材はまさに打ってつけと言えるだろう。
殆ど意思表示が出来ない玄鶴をよそに、嫁、娘、義理の息子、愛人、傍観者でありながら冷酷になりゆきを見つめる看護婦がドロドロの心理戦を繰り広げる。
孫が愛人の子供を苛めるシーンも言葉少ないながら陰惨に表現されている。
 
読めばどっと疲れを覚える一作だ。

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