2016年技術選参戦記4【顔面蒼白の章】

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入念な滑り込みとインスペクションを終え、僕は堂々最終乗り込みでスタート地点に入った。
最後の種目に期するところがある場合は普段よりも余裕を持たねばならぬ。
足かけ25年のスキーキャリアが成せる技だろう。

前回はこちら↓↓↓↓

 

スタート順は最後の方なので、余裕はあったがここは念入りにストレッチなどをして身体をほぐす。
足首、膝、股関節、上体と充分ストレッチすることができた。完璧じゃん。
後はこの燃える気持ちをバーンに叩きつけるだけ。
「よし!他に抜かりはないかもう一度チェックするか」と左ポケットに手をやった瞬間ジッパーが開いている。

「あ、スマホ落とした・・・」

顔から血の気が引いてみるみる身体が硬直していくのが面白いように分かる。
折角先程入念にストレッチしたのが瞬く間に無駄になった瞬間だ。

「やべぇ、どこで落としたんだろ?」

パチパチと頭の中で仮想の指が記憶のファイルを検索しているのがわかる。
どうやらショートターンが終わった後にみんなの応援してる時にスマホでFBを見た記憶を探り当てた。

そこまでは良い。しかしもしリフト乗ってる時に落としたのなら発見は絶望的ではないか!
広大なゲレンデで落としたコンタクトレンズを見つけるのと差ほど変わらない奇跡が必要に思えて来て絶望感に打ちひしがれる。

しかし出走は情け容赦なく迫ってくる。
こんな状況でどうして集中したら良いんだっ!?

「落ち着けっ落ち着けっ!!目の前の出来事に集中しろ。今悩んでもスマホがここですよと出てくる訳じゃないだろっ!!!」
↑↑僕の心の声↑↑

そりゃそうだ、ここは目の前の競技に集中しようじゃないか。
と見掛け上は静かに順番を待つ。
しかしほどなくまた不安がむくむくと首をもたげる。
目の前に僕同様出走をまつチームメイトのK多さんがいる。
貫録のある・・・いや頼りがいのある彼の風貌を見て
「スマホ落としちゃった~テヘッ笑」と言い出せればどれだけ気が楽になるだろうか?などとつまらない事が頭の中を巡る。

悶々としてスタートを待っていると

ピンポンピンポ~ン

「お客様にお知らせ致します。パトロール本部に携帯電話の落し物が届いております。お心当たりの方は至急パトロール本部までお越し・・・」

「オレのヤツちゃうんけーーーーーっ!?!?」

ちょっと光明が見えてきた。
僕のなら全て解決。もし違っててもそこで届けを出しゃいいじゃないか。

そしてフラッグが上がった。。。

パラレルターンロング(整地)ちなみに最終種目

事前に決めた作戦も吹っ飛び、一目散にゴールを目指す。
何ターンしたんだ?そんなの関係ねぇ!!
耳元で微かに「74点・・・」と言うアナウンスが聞こえたような気がしたが僕の目と心はゴール一点のみ捉えてるのだった。
そう、パトロール本部と言う名のゴールを。。。

かくして僕の大阪府スキー技術選手権大会の全種目が終了した・・・

チーン

(つづく)

 

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