ボクシングを辞めて4年半経った。
40過ぎから始めたのだが、試合(スパーリング大会)で1勝したく4年で5回試合に出たが結果勝利は叶わず。
勝てなかったのは残念だがそれを目指して手を抜かず練習したので悔いはない。
しかし辞めた時は他に何も打ち込むものがなくて辛かった記憶がある。
無理矢理ボクシングを遠ざけようとしたこともあった。
長らくボクシングから遠ざかっていたのだけど、打ち込んでた時に同じく試合に出ながらトレーナーをしていたK氏がボクシング同好会を立ち上げたとの話を聞いたので、試しに参加してみようかと参加したのが昨年の暮れのことだった。
それからスキーシーズンで中断し、暖かくなってからもう一度参加させて貰った。
バッグ打ってミット持って貰ったり自分が持ったり、あとはマスボクシング(直撃しないスパーリング)をやったり。
思ったよりも身体は動いた。まだまだやれるか?
無理だろう。
もう気持ちが付いて来ない。
休んでる横で僕よりちょっと年下の方が熱心にシャドウボクシングをされてた。
以前こちらに伺った時試合が控えているとのことで、その後見事に勝利されたとのことだった。
僕は彼がシャドウする姿を見て図らずもすごいなぁと思ってしまったのだ。
僕はたかだかスパー大会出場のおじさんボクサーだったが勝負事はそんな感情を抱いたらおしまいだと思う。
以前なら対抗心剥き出しで自分もそれ以上に練習していたはずだ。
だからこの瞬間「あぁ本当に終わったんだな」と妙に納得してしまった。
頑張っている人を称賛する気持ちは勿論大切。
しかし以前なら同時に対抗心と言うか嫉妬心が確かに存在していたはずだ。
今は本当にすごいな、と思う称賛の気持ちしか存在しない。
身も蓋もない言い方をするとボクシングはスポーツの名を借りた殺し合いである。
リングの上で命を落としても相手は罪に問われないし、死んだ方もそれ相応の覚悟を持ってリングに上がったのだと思う。
だから懸命に練習するし、闘争心は不可欠なものだ。
まぁその肝心な部分が無くなってしまったのでもう僕はボクシングをすることはないだろう。
今後その同好会の練習に参加するかどうかは正直わからない。折角快く参加できるように誘ってくださるのにこんなこと言うのは心苦しいのだけど。
ボクシングの練習は見掛けとは裏腹におそろしく地味な練習の積み重ねだ。
試合に勝ちたい!と言う明確な目標がなければ僕はモチベーションを保てない。
ボクシングが好きか?と聞かれればそれはよくわからない。
またボクシングをしたいか?と聞かれればもうしたくないと答える。
じゃあボクシングなんてしなければ良かったか?と問われればそんなことはないと答える。
正直よくわからない。
僕は勝利の経験はないが、仮に勝ったとしてもまた新たな壁が現れる。格闘技とは勝負とはおおよそそう言うものなのだろうと思う。
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