すんません、リフト乗ってたらストック落としてしまいまして。ちょっと拾ってきて良いですか~?」
「あ~、インスペクションまだだから大丈夫ですよ」
間抜けなやり取りで僕の技選の最初の種目が始まった。
・前回はこちら↓↓↓↓↓
https://allseasonski.com/archives/284
総合滑降:ナチュラル斜面
一年前滑った事があるバーンだったので余裕をかましてインスペクション開始。
出だしからいきなりボコボコの斜面でビビる。雨はザザ降りで視界最悪。おまけに斜面には硫安巻いて固く締められている。
「これってナチュラルバーンじゃなく完全なコブ斜面やんかいさ!!」(心の声)
デラパージュしながら更に下におりるも荒れた斜面は変わらず。
若干斜度が緩くなってくるのがせめてもの救いか。
これはまずい!しかもほぼしょっぱなの出走順。あせる!
そして競技開始。一番目の選手いきなり急斜面抜けたところで大転倒。
選手一同シーンとなる・・・
順番待ちしてると若いK本くん(クラブの先輩)が「こわいっすね~」と言うので、「もうこうなったらハラくくるしかないやろ」と言うと、「根性座ってますね~」と言われた。しかし確実に細かく膝が震えていたのだ。見られたかしら??
順番が近づいて来る。みんな端からスタートしてコブを避けながら右ターンで回り込んで中斜面で勝負してるな。よし僕もそれで。普段強がりを言ってばかりだが、土壇場になると人間本性が現れるのは本当だ。基本先例に頼るビビりである。
そして僕の順番が回って来てスタート。おそるおそる斜面を滑り降りる。
ガタガタガタッ!!「やばい!コブに突き上げられる。こける!!舌噛む!!!よっしゃ急斜面抜けたここでちょっとギルランデ入れよ。ワッ!!まだ突き上げられるやんけ!?やばい、転ける~!!」
ゴーーール!!
「どや!?」
ジャッジA:72点
ジャッジB:73点
ジャッジC:73点
チーン。
オワタ・・・イキナリノピンチニ・・・
しかもこの後に滑ったK本くん素晴らしい滑りで高得点叩き出すし…あの弱音は一体なんだったのか?
若いって残酷だ…
(つづく)
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