久々に劇場で見た映画は超話題作の「シン・ゴジラ」だ。見たまんまの感想を述べてみたい。
概要
怪獣映画と言うよりゴジラと言う未知の巨大生物が現れてそれにどう対処するか?に焦点を絞り描いたと思う。
法律や組織のルールによる行動の制限、そして立場での責任と意思決定の所在、責任の所在を明確にしたくない人間の心理などが克明に描かれている。
人間は3人寄るとパワーバランスが発生する。僕が所属する小さな組織でも嫌と言うほど思い知らされるのでそれと重ねて観た。
しかし次第に統制が取れ始めゴジラと言う未曾有の危機に立ち向かっていく姿も描かれ、ゴジラ殲滅の「ヤシオリ作戦」発動に当たっての矢口特命担当大臣の訓示に思わず涙が出そうになった。
ゴジラについて
ゴジラは核分裂で単独で進化繁殖できる完全生命体として登場。
少し生物兵器のような描写だが、ビジュアル的には良くできていると思った。近年ゴジラを神格化し過ぎな風潮が鼻についていたが、神と認識しながらも得体の知れない不気味な存在として描いた切り口は斬新だと思った。
不満な点
物語のキーマンとして登場する牧教授。人間による過去の核廃棄物の海洋投棄によって突然変異を起こし誕生したゴジラの脅威とその対処法を握る重要人物だが、幾度も名前は登場するものの遂に劇中に登場することはなかった。
また放射性物資で奥さん亡くしたので核分裂で行動するゴジラを憎んでいるとの経緯がいまいち不明瞭だったように思える。
表現の方法が非常にアニメ的。まぁエヴァンゲリオンの生みの親だから演出にそれがでるのは仕方ないと言えば仕方のないことかも知れない。
キャプションが長くて登場人物の立ち位置や会議名、各種武器武装の名称が分からなかった。
セリフも専門用語が多くはっきりと意味を把握できなかったけど流れの中で把握出来るので問題はない。
結局・・・
僕の中では歴代ゴジラ作品ではベストの出来だと思う。
何より正直邦画でここまでやれるとは思わなかった。ビジュアルもさることながら構成と脚本が良かった。庵野監督による脚本はよく練られていると思った。
ゴジラと言う怪獣を主役に据え、人間側の主人公を中心とした人間模様や心理、ラブロマンスを期待するのならガッカリする映画だと思うが、冒頭に揚げたように未曽有の危機に対して国家やそれに携わる人々が存亡を懸けて行動する様を描いたものとして観るのならこの映画お勧めです!
日本政府の対応が、多分こうなるんだろうなあと思わせるぐらい、よくできていたと思います。
自衛隊による攻撃の際に、攻撃を命じておきながら、さらに武器使用も総理にお伺いを立てなければならないのかと、考えさせられました。
石原さとみが、可愛かった!
報連相と言う名の責任転嫁と思われます。
組織の大小問わず国内には蔓延しておりますね。