今から20年以上前となりますが、僕は結婚と同時に転勤となり広島に住んでいました。
実はお恥ずかしい話ですが、社会人になってからも実家で暮らしていましたので一人で(もちろん独立してと言う意味です)暮らすのは初めてでしたので、楽しい思い出と共に辛い思いもあります。
そのような経験の中で大変お世話になった方がおられました。
それは奥さんが勤めていた会社の社長さんで、若い僕らを何かと気付かって頂いた言わば恩人と言える方です。
残念ながら若くしてお亡くなりになられたので、毎年秋になるとお墓詣りを兼ねて広島近辺の観光地や名勝を訪れるのが僕ら夫婦の慣行となっています。
今回は尾道に寄る事にしました。
もちろん尾道は仕事で何度か訪れる事はありましたが、観光で訪問した事はありませんでした。
言うまでもなく尾道は大林信彦監督作品の舞台にもなった、非常に情緒のある街です。
初めての訪問で、そうした所を無事訪れる事が出来るのだろうか?
土地勘のない僕はそんな事をボンヤリ考えながら車を走らせたのでした。

大林映画をじっくり観た事がない僕はどこが名所なのかも分かりませんでしたので、まずJR尾道駅の中にある観光センターで観光地図を入手しました。
見るとやたらお寺が多い、どうしよう?と思いましたがひとつ目に付くところを見つけました。
それは「猫の細道」と呼ばれる小道。
猫のオブジェに混じって本当の人懐っこい猫が住んでいるという。
猫好きの僕らは早速そこを目指すことにしました。
駅下がりのレトロな香り漂う商店街をひたすら進みました。

こんな一角がありました。
林芙美子 誰だろう?
森光子主演の「放浪記」の主人公の様です。舞台は有名なのに主人公を知らなかったと言う・・・

レトロな銭湯を改装した土産物屋さんもあったりと、なかなか楽しくユニークなお店が多い商店街です。

商店街を抜け山陽本線の線路を越えると映像で記憶のあるあの坂の多い尾道の旧市街が現れてきました。
クルマはおろか自転車も使えない様子です。

思った以上の坂道です。たまの平地はこんな細い道ばかり。

そんな中で小洒落たカフェもちらほら営業しています。
レトロな風情のある坂道にマッチしたお店が多いです。
感想
映像で見る尾道の坂の風景に無事出会えるんだろうか?との心配はいきなり裏切られました。
山の斜面に張り巡らされたこの旧市街はまるで箱庭のように美しい風景で、どこか童心を呼び戻す不思議な魅力を放っていると僕は感じました。
ただ住むには不便でしょうけどね(笑)
物珍しい風景に心を奪われながらも「猫の細道」を目指します。
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