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いきなりのトレーナー交代劇、優しかったタオルの兄ちゃんは会長の目が届かない昼間に独断行動が目立ったとのことで解任されたとのことだった。
しかし僕には優しく丁寧に教えてくれた。
「焦らず出来ることから徐々にやって行きましょう」それが彼の口癖だった。
代わって新たなOトレーナーはプロ叩き上げで、まさにスポ根マンガからそのまま抜け出て来たような人物だった。
彼がさばくミットは入門して間もない僕には非常に過酷なものだった。
ある日例のタオルトレーナーのつもりで軽くミットに当てるように打っていると反対の手のミットで顔を殴られ
「もっと真剣に打ち込め!」とにらみを効かされた時はオシッコをチビリそうになったものだ。
お金を払ってるお客になんてことをするんだ?現にそう言う声もあったみたいだが、ボクシングとはそう言うものだと割り切って僕はついて行くことにした。
話は前後するが、先の誤解が尾を引いているのか僕は無視され続け、ミットも持って貰えない日々が続いていた。
ブログなどでは威勢の良いことを言う会長もどこ吹く風で知らん顔。
それでも僕は時期が来るまで独りでシャドウをしサンドバッグを打って時間が来たら終了する、そんな時期が続いた。
そしてその誤解が解けたかどうかは分からないが、ようやくミット打ちが始まるとそんな始末。
ボクシング練習においてミット打ちと言うのはある意味練習のメインでボクシングをやっている実感が湧く練習種目なのだが、このOトレーナーになってから一番避けたいものとなった。
とにかくきつい。
さばき切れないほどのコンビネーション、1分を超える連打、そして機嫌が悪い時にはインターバルなしで連続ラウンドでのミット打ち、3ラウンド連続と言う時もあった。
しかし僕は付いて行った。
実はミットを持っている方も腱鞘炎に悩まされるので過酷なのだ。
Oトレーナーはこのジムの後独立し、後に僕はそのジムにも所属することになる。
気分次第で15ラウンドぶっ通しで殴り合いをしたことなど良くも悪くも彼との思い出は尽きないが今回はこの辺で。
(つづく)
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