ラストファイトに向けて プロ仕込みの本格派トレーナーの登場~太郎のボクシング奮闘記22

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今回の姫路大会の反省は何と言っても準備不足と言うことだ。

病み上がりの状態でトレーナーのけしかけにほだされてその気になってしまったのが間違いの元だ。

でも最終的に出場を決めたのは自分なのだから責任を誰にも転嫁することはできない。

 

今度はきちんと準備しよう。

次回の挑戦がおそらく最後となるだろう。

手術した左眼にとって殴り合いなどは最も避けないといけないことだ。

当然医者も良い顔をしなかった。当然だろう。

と思って入念に準備しようと思った。

 

とか考えているとOトレーナーがジムを去ることになった。

理由は色々あるのだが、どうやら独立を目論んでいるみたいだった。

それにジムの会長とも反りが合わないようなのは傍目から見ても一目瞭然だった。

 

次は誰が来るんだろうと思っていると、とんでもない実績のトレーナーが着任した。

Oトレーナーの紹介でやって来たそのトレーナーはプロジムを渡り歩いており、数多くの日本王者、東洋太平洋王者などを育ててきたようだった。

ボクシング理論やその道の人脈にも厚く、練習ひとつ取ってみても体系立てて実戦に則して役に立つメニューを組んでくれる、今までにないタイプのトレーナーだった。

仮に彼をKトレーナーとしておく。

 

Kトレーナーの教えを受けたおかげで僕のボクシングは大きく前進した。

まずディフェンスの大切さを徹底的に叩き直されることになった。

今まで僕はガードが甘く、スパーリングなど実戦練習などをしている時次第にガードが下がってよく注意を受けていた。

ボクシングにおいてガードは単純かつ最も重要な技術だと思う。しかし多くの人は攻撃する方に目が行ってしまうのと、ガードを上げ続けることは両腕にかなりの負担を強いられることになる。だから次第に両腕が下がってくるのだ。

華やかなファイトが重視されるプロボクシングでは打撃する時、ガードすべき腕が下がってパンチを出している写真を見たことが有る人は多いと思う。

KOが頻繁に起こることが期待されるプロボクシングではそれでも良いだろうが(それでも重要ですが)、ポイント重視のアマチュアボクシングでは攻撃時にガードすべき腕が下がるのは致命的と言える。

それはプロに比べて回避行動が大きく制限されている部分も多い。

前足より頭が出て上体を低く取るダッキングなどの回避行動はアマチュアでは減点行為となるからだ。

したがってガードを固めることはマストだと言える。

事実僕の場合も被弾してダメージを蒙ることも多く、自分では意識はしていたのだがどうも目立った改善を見ることはなかった。

それがOトレーナーのおかげでピタッと良くなった。

それもタオル一本で。

 

後頭部に回して掛けたタオルの両端を両こぶしで握りガードのポーズを取る、これだけのことだった。

それまではガードを上げ続けるよう意識せよとか、スパーリングの時に注意されたりとかのみだったのだが、こうした具体的で効果的な練習を彼は練習生に根気よく教えてくれたのだった。

しかしそんなプロの現場が染みついたKトレーナーに取って規則が緩いこのジムでは何かとストレスを感じることも多かったようで、事実何度か練習生との揉め事に付き合わされることになった。

(つづく)

 

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