映画評「コナン・ザ・グレート」主演:アーノルド・シュワルツェネッガー(1982年 米国)

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「コナン・ザ・グレート」

1982年米国作品、主演:アーノルド・シュワルツェネッガー、ジュリー・ロペス、ロバート・R・ジョーンズ他 監督:ジョン・ミリアス

 

随分昔の作品になるが、アーノルド・シュワルツェネッガーのメジャーデビュー作品となる。

物語は簡単に言えば太古の時代の剣と魔法の話であるが、映像、セット、ストーリー、登場人物などの設定が非常に丁寧に作られており見る者を引き込む非常に格調高いものを感じる。かなり重厚な作品。

 

冒頭ニーチェの言葉「生ある限りすべては試練である」との言葉から物語は始まる。ある日平和な村に蛇を象った紋章を掲げる謎の軍団が襲撃を懸ける。父母を惨殺された少年コナンは軍団の強制収容所で苦役を強いられる。

何年も経ち拉致された労働者はみんな死に絶えて行く中、少年はいつしかたくましい肉体を持つ男に変貌していた。

やがて奴隷商人に買われたコナンは剣闘士としての道を歩むことになり、その肉体を駆使して難敵を次々葬って行く。

次第に剣の手ほどきを受けるだけでなく、奴隷には破格の教養まで与えられる待遇まで上り詰める。

 

その能力を惜しんだ主人はある晩コナンを釈放し、彼は自由の身となる。

道中仲間を得たコナンはとある国の尖塔に忍び盗みを働く。そこには幼い頃記憶にある蛇の紋章が刻まれていた。

各地で勢力を伸ばしている新興宗教の施設だが、その黒幕はかつて父母を惨殺したタルサ大王だったのだ。

 

盗賊として捕えられたコナン達はその国の王の前に引き出され、タルサ大王の魔力で拉致された王の娘を救出しタルサ一味壊滅の命を受ける。こうしてコナンの復讐も始まるのだが・・・

 

ざっとストーリーはこんな感じなのだが、何より作品の雰囲気が良い。

自然を活かした美しい風景、幻想的なオープンセット、重厚な音楽そして魅力的な登場人物たち。そしてそこはかとなくちりばめられる日本のテイスト。

余談だが、最近の作品はどれを観てもまるでミュージックビデオを観ているような映像の軽さ。こういった作品はもう登場しないのか?と思う。

 

キャストに目を移すと、俳優としてまだ十分なキャリアを積んでいないシュワルツェネッガーの体当たりな演技も良い。彼は次作「ターミネーター」で余りの大根振りを逆手に取って寡黙なターミネーターを演じたと言われているが、本作を見るとどうしてもそんな大根役者には思えない。

 

敵役のタルサ大王は名優ロバート・R・ジョーンズ。ダースヴェイダーの声でよく知られている方だ。黒人の風貌がまた怪しい雰囲気を醸し出している。

 

コナンの相棒サボタイにはジュリー・ロペス。この人は俳優と言うよりも伝説的なサーファーとして有名な方だ。映画出演はこの作品くらいではないだろうか。

 

他には全く役に立たない魔法使いの役には日系のマコ・岩松、娘をさらわれた王にマックス・フォン・シドーなど豪華俳優陣が脇を固めている。

 

演出上の特徴はそこかしこに日本の影響が見えることだ。

コナンの剣術は日本の剣術指導者の山崎清が演技指導に当たり、ハイライトのひとつでコナンの体表に経文を墨書するシーンは耳なし芳一をイメージしている。

 

後にアケロニアの王として君臨するコナン・ザ・バーバリアンの一生の前半部分を叙事詩的な物語にまとめ上げた監督 ジョン・ミリアスの手腕が見事な作品だ。

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