天王寺公園を散策した後は東京から来た友人と会い、用事を済ませてから以前から連れて行くと約束していた場所を目指しました。
そこは西成あいりん地区、目的はホルモン焼きなどの大阪特有のB級(?)グルメを堪能しようと言うわけ。
西成と言えばお隣の新世界ジャンジャン横丁が有名ですが、近年観光地化されて往年の西成の風景もかなり薄れて何だかテーマパークの様子になって来ました。
こんなところ(と言っては失礼だけど)ならいつでも行けるので、それはまた観光で来られた時にでも寄っていただくとして、大通りを挟んだ反対側、西成警察署や三角公園がある昔からの西成あいりん地区近辺を目指す事にしました。
この近辺にも色々と隠れた名店が存在するのですが、場所が場所だけに観光で来られた方はもちろん、大阪府民でもなかなか立ち寄る人も少ない場所と言えるでしょう。
僕はたまたま地理に明るいのでお連れする事にしました。
友達が女性でしたので、一人では心もとないのでもう一人屈強な男性のお友達を誘って三人で行って来ました。
まずはチン電「今池停車場」階段降りてすぐのホルモンの名店「やまき」を目指しました。

文化の香り香しい天王寺公園を後にして目指すは・・・

そびえる通天閣のお膝元「新世界」のジャン横!
・・・ではなく大通りを挟んだ反対側を目指します。

観光地化された新世界界隈とは打って変わって、昔の西成のイメージがそのまま残る生活感が漂い過ぎるエリアとなります。

俗に言う蚕部屋のホテル。料金は基本こんなもの。オプション(エアコン、テレビ)が追加されてグレードアップする毎に値段が上がる仕組み。

今池停留所の階段を下りたところにデカデカとペンキで書かれた注意書き。
大体この場所がどんな所か想像が付くと思います。

ふとその先に目をやるとなにやら黒山の人だかりが見えます。
そう目指す目的地の一軒目です。

黒山の人だかりに遠慮して躊躇してはいけません。
「ゴメンやっしゃ!」と人を掻き分け前に進み・・・

掻き分けた先にはこちらの寡黙なマスターが黙々とホルモンを焼いていますので・・・

値段を見て何にするか決め遠慮せず大きい声で言いましょう。
「おっちゃん、ビール三本ちょうだい!!」

返事はありません、もしかして蚊の鳴くような声で「あー」や「うー」くらいの反応はあるかも知れませんが、なくてもちゃ~んとオーダーしたものは通してくれます。

ホルモン串は鉄板の上で焼かれているものを適当につまんで食べましょう。
串は精算で必要なので飲み干した缶などに刺しておけばオッケー。

好みで鉄板の脇に置かれているニンニクが効いた特製つけダレにホルモンを浸して食べても絶品です。

黙々と寡黙にホルモンを焼き続けるマスター。大体このお玉でソースをかけ回せば出来上がりのサインの様です。

次はキモ(一人前70円)をオーダーします。
「キモちょうだい」と言えば反応はないですが、順番が来ればちゃんとオーダーした分を焼いて切り分けて目の前に置いてくれます。

キモ(レバー)。
備え付けの串があるのでそれに刺して食べましょう。
西成のこんなところ(失礼!)でこんなにジューシーで臭みのないキモが食えるのか!?と言うほど絶品のひと品。

お次は隠れメニューの「あぶら」
こればっかりはオーダーするとマスターの射るような目がこちらを向き、ボソッと「時間掛かるよ・・・」と言われますが怯んだら負けです。
「待つから焼いて!」と返しましょう。

「あぶら」
どこの部位でしょう?
僕も初めて食べたのですが、フニャフニャプリプリして不思議な食感です。
感想
「じゃりん子チエ」と言う大阪のこの界隈を舞台にした漫画があります。
(一定の年齢の方なら)読んだ方も多いと思いますが、ざっとあの舞台を現実にした様子をイメージしてもらえば分かりやすいか、と思います。
言葉は悪くなるかも知れませんが、色んな人がいらっしゃいます。多くは生活が苦しいその日暮らしの方でしょうが、それでも1000円もしくは数百円出して
「ビールな、それと二本貰ろうて行くで」
とチャリーンと数百円を渡してホルモンとお酒を受け取って去って行く様は何だか不思議ですが絵になる光景でもあります。
ここにはそんな日常を暮らす生活者、駆出しのプロボクサー、そして僕らの様なエイリアン達がひとつに寄り集まって黙々と焼けた串を摘まんで酒を飲み、しゃーないなーと人生を達観した風情のマスターが黙々とホルモンを焼き続ける。
そんなお店です。
余談ですが、よく足元に酔い潰れたおじさんなどが寝転がってたりしますけど、蹴りなど入れずに暖かく見守りながら悠然と食べ続けましょう・・・
「やまき」の詳細はこちら
https://tabelog.com/osaka/A2701/A270406/27058788/
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